ベッドを安く売るには(番外編) 前篇

メーカーって、そこの商品を売って売って売りまくって、売り上げを上げれば上げるほど

感謝してくれるもんだと思い込んでいましたが・・・・違うんですね

特に悪い意味で調子にのっているメーカーさんは、売れているのは我々の戦略が優れているのであって

小売店には(特に我々のような個人商店) には「売らせてやっている」ぐらいに思っているのでしょう

我々はある時期、一つのメーカーをそれこそ、売って売って売りまくりました

正直言うと、それほど高性能だとは思いませんでしたが、お客様が熱に浮かされたように

そのメーカーのものが良いと信じて疑わず、と言って決して凄く悪いものでもなかったのですが

少なくともそのメーカーが設定している価格設定は、価値の伴わない異常なほどの高額でした

ここまで読まれた方は、「それを知っていて売るなんてひどいじゃないか」と思っておられるかもしれません

しかし言い訳かもしれませんが、他店より圧倒的に安く販売したのも事実です

決して誇張でなく、他店の2~3割は安かったと思います

「良いものでは決してないけれど、凄く悪いものでもない、ただ価格が価値に伴わないだけ」

なのだから、圧倒的に安く売れば問題ない、なにせお客様が望まれるのだから・・・

と考えました

しかし、同業者から聞こえてくるのは「乱売だ!!」 「市場を混乱させる価格破壊だ!!」 の声でした

私が考える「乱売」の定義は、適正な利益を取らず、ただやみくもに安売りすることを「乱売」というと

考えています

事実、ネット上で同メーカーを「乱売」して結果、破綻してしまい市場に大迷惑をかけた

ネットショップがありました、利益を取っていなかったからです

ではなぜ当店が2~3割も安く販売できたのか、それは簡単です2~3割安く仕入れていたからです

つまり安売りしても十分利益があり、決して乱売でも価格破壊でもありません

メーカーからその価格で販売しても見合うだけの原価で提供があったからです

売れば売るほどに原価率はどんどん下がりました、外側から見るのとは違い内情は火の車だったのでしょうか

一時は「小売店への売り込みは、月初にしておけ、月末に売り込みに行くと足元を見られる」と営業マンを

指導したほどのメーカーが、月末ともなると血走った眼で売り込みに来るようになりました

「今月は〇〇売り上げが足りません、仕入れてください」

メーカーとの付き合いが深くなればなるほどに、メーカーの営業担当との関係も深くなります

いくら力を入れて販売しても、表敬訪問どころか電話の一本もないメーカーの社長や上層部の人間が

売り込みに来ても関係ありませんが、過ごす時間が多く 「彼が困っているのなら」と

大量に仕入れることもしばしば

そして売り込みに来るその頻度、その間隔は次第に増え、狭まって行きました

当店は1店舗しかありません、いくら売っても売っても供給が過多になるのは時間の問題です

ある時、月間に仕入れた商品の原価率を計算すると平均で凄い数字でした

同業者の方はわかると思いますが、お〇かわの産地の安いほうの部類の掛け率と言えば分るでしようか

次第に感覚は麻痺し、もはや安く売っているというより、「他が異常に高すぎる、これが本来の価値だ」

ぐらいにまで思えるほど仕入れ売りまくりました、今から考えればそれが真実だったのですが・・・

とにかく、安い原価率(実際は適正価格) で提供されるまま手段を選ばず安売りしまくりました

とにかく、そのメーカーの売り上げを作ること、そのことこそがメーカーが我々のような小売店に望むことだ

と信じて・・・・

そして・・・・・・(後編に続く・・・)

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