全ての情報を公開する事の是非

マットレス内部の情報、例えばバネの材料、形状、線径、配列、ウレタン比重、ウレタンの厚み、詰め物の配置の順番・・・・・

他にも多数ありますが、この辺で

弊社ベッド館はこれまで、それら情報を積極的に 「包み隠さず」 公開してきました

と言うのも シモンズ、フランスベッド、日本ベッド、シーリーベッド、ドリームベッドなどが所属する

「全日本ベッド工業会」 が上記のような情報の開示を基本的に取りやめてしまったからです

これでそれらブランドメーカーのマットレスが、正に中身の見えない 「ブラックボックス」 と化してしまったことで

マットレスの優劣を決める消費者の判断基準が 「メーカーの知名度」 だけに成りかねない と危惧したからです

しかし情報の全てを公開することで、一つのマイナス面が見えてきました

例えば 「比重75」 のウレタンと 「比重45」ウレタン、それ単体では前者の方がよい素材です

・・・が、マットレスにより、後者つまり素材その物では劣る比重45のウレタンを封入した方が、マットレス全体の性能品質が

上がる場合もあるからです

マットレスと言うのは、簡単に言うとバネ、詰めもの、表面生地、縫製で構成されていますが

その組み合わせ、素材の使用量、配置(何層目に入れるか) などによっても大きく変わります

これは料理に似ていますよね

最も優れた素材を全て投入したからと言って、おいしい料理ができるとは限らない・・・要は組み合わせです

話をマットレスに戻しますが、情報を何もかも開示してしまうと、どうしても素材単品の質に目が行きがちになります

よくお客様からいただくご質問で、

「このマットレスは5.5インチのバネ、こちらは7.5インチだから後者の方がよいですよね」

あるいは 「ウレタン比重45のマットレスと、75のマットレス・・・後者の方がよいですよね」

「これは片面使用、こちらは両面使用・・・後者の方が耐久性が高いですよね」

・・・・・この回答は 「必ずしもそうではない」 なのですが

どうしても素材単品の価値のみで判断してしまいがちです・・・これはお客さんだけでなく、知識の乏しい家具屋の販売員も

そんな説明をしている事が、よりお客さんの混乱を招いているようです

また、マットレスの内部と言うのは、こだわりのマットレスを製造している一部のメーカーにとっては

「企業秘密」 に属する部分でもあります

これは以前、実際にあったことですが、「スプリングに○○をすれば、耐久性が上がる」 という手法があり

それはそのメーカーの長い経験から分かったことであり、「なぜそうなるのか」 は理論的には分からない

と言う事でもありました

しかし弊社ベッド館がその情報を開示してしまったことで、多くの他メーカーがそれをマネをしてしまい

そのメーカーのある種アドバンテージが失われた・・・なんてことが昔ありました

マットレスの内部構造も同じです

ただ、全日本ベッド工業会のようにバネ数やバネ材などなど、基本的な情報まで 「全て社外秘」 と言うのはいかがなものかと

これからの弊社や、より良いマットレスの開発を依頼するメーカーなどには

「情報公開の取捨選択」 が課題となりますね

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