祖父の足跡をたどって・・・

百田 尚樹原作の 「永遠の0」 が来年にドラマ化されると聞いた

今から楽しみにしていますが、映画、小説版と話が違うのかな

小説では祖父が特攻隊員だったと言う事実を始めて知り、色々と祖父の真実を知っていくうちに・・・・・

というストーリーだったが、それに影響を受けたわけではないが

自分の祖父について調べてみたくなった

私の祖父(母方) は日本帝国 陸軍中尉で、英語教師をしていたこともあり

戦時中はアメリカ兵の捕虜収容所 の所長だったらしい

私が赤ん坊の時にすでに亡くなっているが、当時としては大柄で175cm  体重80キロ 柔道2段 とアルバムに書いてあった

ものごころついたころから、父や母に「倉西のお祖父さんは偉い人やった」 と色々聞かされていたけれど

いまいちピンとこず

興味の的は、腰にさしていた形見の軍刀 や軍服などに集中していた (残念ながら拳銃は終戦後、大和川に捨てたらしい)

しかし40を半ば超えた今、真剣に祖父の事を調べてみようと思い立ち

色々と記憶をたどっていくうちに、一つの本の事を思い出した

「捕虜と通訳」  小林 一雄 著   なぜ覚えていたのかはわからないが、とにかく本のタイトルだけは覚えていた

じいちゃん
 写真右端が祖父 倉西 泰次郎 中央 祖母と母           ちょっとだけ東条英機に似ているので何回か間違われて敬礼されたらしい(笑)

さっそく家中をひっかき回して本を探したが見つからず

もう一つのキーワード 「ブロード ウォーター」 なる人物の名前を思い出した

確か私が中学くらいの時、このアメリカ人の名前がよく家中で話されており

「捕虜と通訳」の著者 小林さんから母や祖母に連絡があり、その当時そのブロード ウォーターさんは

コカコーラ の副社長か何かで、捕虜収容所に収監されていたころ、祖父によくしてもらったことの

お礼を言いたいとか何とか・・・・・この辺はハッキリ覚えていない

とにかく、母親が贈り物として 日本人形を贈り

そのお返しがウォーター氏より送られてきた時、姉と二人で

「絶対コカコーラ1年分とかちゃう」 などと下世話なことを言って父に怒られたことを思い出す(笑)

そして「ブロード ウォーター コカコーラ」 のキーワードでググってみたところ

思わぬ資料がでてきた

メロウ伝承館  このサイトに 祖父の事が詳しく書かれており

中でも戦後、戦犯として裁かれ 巣鴨の刑務所に収監されていた際、祖父が書き留めた日記や歌

いわれなき罪で次々と絞首刑や終身刑を言い渡される、元上官や友人たち

寒さと飢えと何時自分の番が、と恐怖におびえながらも武人として誇り高く  

しかも自身亡きあと、堺市に残した妻や娘(母) の行く末を案じながら・・・・・

いてもたってもいられなかったと思う、それは獄中日誌にも謳われていた

「瞼なる妻子の姿 年暮る」 

「ゆく年や 誰にともなき憤り」

「空腹にこたへて踏める凍土かな」  
 
「寂しさに 妻子をも呼びて見つ」

先日、母にこの獄中日誌を読んで聞かせた・・・・・母は号泣していた そして当時を思い出し

東京の巣鴨プリズン まで祖母とともに大阪 堺市から夜行列車に揺られ

面会に行った当時小学低学年だった母は子供ながらに、もうお父さんには合うのは最後かも? と感じたと話してくれた

しかし事態は一転、祖父は無罪釈放となった

結局、収容所所長時にその英語力を生かし、捕虜とのコミニュケーションがスムーズに図ることができ

また彼らの文化や考え方にも造詣が深かったことが幸いしたようだった

そしてそこには所長と捕虜でありながら、戦後も友情関係を築くことができた

ブロードウォータさんをはじめ、他の敵味方を超えた 「戦友」 の尽力があったことは想像にがたくない

戦後ビジネスマンになり、米国コカコーラの副社長にまで登りつめたブロード ウォーター氏は

インタビューでこう語っている

(亡くなった事) 「本当に残念です。クラニシ中尉は、捕虜に対して憐《あわ》れみと暖かい同情、理解をもって接してくれました。本当に人間味豊かな軍人で、まさに〝仁の人〃、私の人生の師です。自分で英語をしゃべり、捕虜の希望を受け入れるためにベストをつくしてくれました。いつも故郷の肉身を思って健康を保ち、将来、無事に帰国するために頑張り通すよう励ましてくれました。忘れ得ない恩人です」ブロードウオーターさんのしんみりした口調は、倉西さんへの思慕と他界されたことへの無念さがにじみ出ていた。そして遺族の未亡人と娘さんを気遣っていろいろと私に尋ねた。

・・・・凄い! 身内ながら尊敬する じいちゃんカッコよすぎる(笑)

調べてよかったぁ~  昔はこんな本当の武人がたくさんいて、その人々の頑張りで今の日本があるのだなぁと

つくづく感じました

自分があの世へ行った後、両祖父、祖母、父母に自慢できる何かを残してからでないと

恥ずかしくって顔向けできません

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