明日から私を含めて総勢5名で、広島と岡山の家具メーカー数社に出向き
新作の展示会や今後の交渉に出向きます、まさに真剣勝負の時です
その昔、15年くらい前までは広島と言えば 「府中詣で」といわれ
広島県は府中市が婚礼たんすの産地で、全国から小売店バイヤーが集結し、あちこちで商談に花が咲いていました
婚礼たんすなんて今の若い人たちにはピンと来ないかもしれませんが
お母さんたちの時代はお嫁入りの際に嫁入り道具として、タンス、下駄箱、布団、鏡台(ドレッサー)を
一生道具として持参するのが習いでした
我々家具小売店も、この婚礼タンスさえ販売していれば、後の家具は勝手についてくるもので、売り上げ総額は大きく
みなさん何処の家具屋さんも、婚礼客獲得に躍起になっていました
しかしこの婚礼たんす、プロの家具屋さんでも価値判断が難しく、仕入れには豊富な商品知識と色々の駆け引きが必要でもありました
ですので同じ品物を仕入れる際でも、ある家具屋は55万円で仕入れているのに、ある家具屋は45万円で仕入れている
なんてことは現実によくありました
10万円も高く仕入れていれば、販売価格が高くなり売れないんじゃあないの
ところがそうでもないんです
プロですら価値判断が難しいほどの婚礼たんすですから、お客さんにおかれてはなおさら・・・・・
高く仕入れた家具店も、そこに十二分に利益を載せて販売していましたし、他と同一品で価格競争なんてことは
まずありませんでしたから、高い事もまずばれることは無かったはずです
婚礼家具メーカーも莫大な利益を生みやすい婚礼たんす(現在は全然です)
新作発表会に我々を誘致するのにも熱心で、いわゆる「脚付き、アゴつき、〇〇〇つき」
府中までの交通費、宿泊、食事、夜の〇○〇など(笑)書けません
すべてメーカー持ちなんてことも有ったみたいで
社長と奥さん、先代と奥さま、お子さんなど家族総出で、明らかにメーカー持ちの家族旅行に来ている感じの団体もありました
さんざんメーカーのお金で飲み食い、物見遊山して、帰りがけに社長がメーカー担当に一言 「ワンセット届けておいて下さい」
もちろん、そのタンスには物見遊山の費用がかけられているのは言うまでもありません
価値判断が難しいということは、お客さんの方も安心して買いたいという意識が働くのか
知り合いの家具店や縁故関係、誰誰さんの紹介などなど、つてを頼って購入される方が多く
物見遊山で来ている家具屋さんも、そういった人間関係で販売していたので、少々高くても問題なく売れていたんですね
今ほど世の中が世知辛くない、古き良き時代はそれでみんなが潤って、一種の社会の潤滑剤だったのかもしれませんね
自分だけいい子ちゃんになるつもりはありませんが、そういったなかでもウチは 「遊びたければ自分の金で・・・」
という祖父の教えを守り、食事くらいはメーカーにおごってもらいましたが
自分のお金で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遊んでました(笑)
もちろんその分、仕入れは厳しく、元々は桐ダンスの職人だった祖父は、家具の造りや材にも精通し
メーカーに無知を付け込まれる隙はありませんでしたし、接待等も拒んでいましたから、かなり安く仕入れていたと思います
後はいかに他店より安い、と言うことをアピールするかなのですが、これが実はなかなか難しい作業でもあったのです
そして、こういった業界の流れの中、正に我が世の春を謳歌していたのが、実はベッドメーカーなのです
次回のブログではこれらについて書いてみたいです
前回ブログでメーカーとの駆け引きについて書くつもりが、少し方向性が違っちゃいました