弊社の東京進出の第一段階は、ほぼ成功したと言ってもいいと思います
それを受けて、社員からドンドン出店拡張しましょう と威勢の良い言葉が出てきます・・・が
それに関して私は慎重です
ちょっと違うかもしれませんが、私は修業時代にお世話になった他の家具屋で、こんな経験をしました
当時、年商50憶以上のその家具屋、その家具の配送を請け負う運送会社もたくさんありました
そこへやっとのことで配送シフトに組み込んでもらった新規の、しかも立ち上げたばかりの小さな運送業者
ドライバーはそこの社長、助手は社長の弟
彼らの仕事ぶりはとにかく丁寧、正確で、当然配達先のお客さんの評判もよく、やがてその声はその家具屋の部長の耳に・・・
部長氏 「君たちの仕事ぶりは、お客さんの評判も大変良い 頑張ってくれているから、トラックをもう一台、ウチのシフトに入れてくれ」
当然運送会社の社長は喜び勇んで、トラックを入れました、ドライバーと助手は社長の友人 彼らもまた、評判がよかった
すっかりその運送会社が気に入った配送部長は、もう一台、また一台と、彼らのシフトを増やしていきました
・・・・・運送会社の社長にしてみれば、うれしくて得意満面だったでしょうが、肝心のドライバーたちが足りない
…かといって、折角の配送部長の要請を断れば、他の運送会社にとって代わられる
・・・そしてかき集めたドライバー・・・その質は最悪でした
数々のミスは冒す、お客さんと喧嘩する・・・挙句に集金を持ち逃げ
すっかり評判を落とした運送会社・・・結局、数年後には、元の一台へと逆戻りしてしまっていました
聞けば、過去に多くの運送会社が同じような道をたどったようで、結局彼らも普通の運送屋になったという事でしょうか
・・・・・それと同じで、トラックを一台無理やり増やす、新規に出店する
その事で一時の数字は増えるかもしれませんが
人材が育っていなければ、出店はしてももはやそれは 「ベッド専門館 新井家具ベッド館」 ではなくなって
数字を追うあまり、「味噌もク〇もとにかく儲かればいい」 という家具屋に成り下がってしまう恐れがあります
そんなのは、一部の大手家具店、一部大手量販店と同じになってしまい
商人としてプライドの持てる 「専門店」 では無くなってしまいます
もちろん歩みを止めてしまえば、衰退しますが、水膨れででかくなるのなら
社員20名弱とその家族が幸せになれれば、それでいいじゃんか