月末であと少しで売り上げ目標に達しそうなので、6%歩引きするので80万円ほど商品仕入れてください
昨日営業に来たメーカーが言いました、彼の言う通り仕入れそのあとしばし雑談・・・・・話題は昔話に
1990年代の中期ごろ、バブルがはじけ銀行は不良債権を抱え、いわゆる 「貸し渋り」が始まり
メーカーは資金繰りに窮するようになります
当時の売れ筋ダイニングボードのメーカー 丸善やA社、ダイニングテーブルメーカーの松田、整理タンスメーカーの国分
一つだけイニシャルなのは現存するのはA社だけなので・・・・・
彼らが問屋を通して、大量買い付けによる歩引きを提案してきました
10tトラック一車分を一括仕入れで、なんと通常原価の30%引き 全部新品ですよ
弊社の所属する枚方家具団地は、当時27店舗からなる家具の町、当然ご近所は全て家具屋・・・商売敵です
近隣に毎週の様にチラシ広告を入れるТ木工があり、そこと弊社は価格競争にしのぎを削っていました
丸善の超売れ筋ダイニングボード 「マックス」 最初128000円で弊社が販売していると、Т木工が123000円
そしてウチが118000円・・・・・またまた向こうが115000円と終わりのない戦いを繰り広げておりました
でも一括仕入れで30%引きで仕入れるようになり、弊社が99800円で販売するようになると、さすがにТ木工もあきらめて
下をくぐってくることはやめちゃいましたね
ダイニングテーブルの松田もボレロという人気商品があり、ヨソが168000円ウチが128000円で売ることにより圧勝
面白いのは、当時ウチが借りていた倉庫(現在の本館の斜め前) でアウトレット店を展開していて、ダイニング、ソファー、
ベッドも50台ほど展示、今のベッド館の前身ですね、そこの店長が私でした
不幸にもその倉庫の真ん前にあったのが、「村上木工さん(廃業)」、そこの仕入れ体系はほぼ弊社と同じ、当然商品構成も同じ
ボレロをはじめ、他の人気商品も同じものがたくさん展示してあります
また都合の良いことに、村上木工さんの店舗は全面ガラス張りのショーウィンドゥ 中が丸見え
さすがに道路向かいのウチからは肉眼で店内は見えない
そこでオペラグラスを用意して、お客さんから 「松田のボレロ、128000円ってもっと安くしてよー」 と値切られると
オペラグラスをお客さんに手渡し 「向かいのお店でウチより4万円高い値段で、販売していますよ」とやるわけです
さすがにオペラグラスでも向こうの値札まで見えませんが、これは効果絶大
ほどなくしてウチにはかなわないと悟ったのか、村上木工さん●クタスショップへと形態を変えられました
この時私が感じたのは、何よりもかによりも 「価格がヨソより安い・・・しかも圧倒的に」 という事が何よりも商売において強いのだ
と確信しました それに他店をダシにしてウチの優位性を話しするのって、なによりいい気持ち
ヨソと圧倒的な価格差で販売できるよう、仕入れやシステムを考えよう、と思ったのはこの時かもしれない・・・・・
そんな話をメーカーとして、最後に
「80万円とか言わずに800万円でも、1千万でも一括で仕入れるから、6%と言わずに昔みたいに3割引いて」
というと、80万円分の伝票握りしめて 「よいお年を~」 と言いながら去っていきました(笑)